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噛み合わせた時に上の前歯が下の前歯を深く覆っている噛み合わせのことを、過蓋咬合(ディープバイト)といいます。過蓋咬合は治すのが難しいと言われることもありますが、実はインビザライン矯正で治療ができるケースも多くあります。
この記事では、インビザラインでの過蓋咬合の治療方法、治療にかかる費用や期間についても解説します。インビザラインで過蓋咬合を治療したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

インビザラインで過蓋咬合を治療することは可能です。透明のマウスピースの使用とあわせて、バイトランプという装置を併用することで、過蓋咬合を改善できるケースは多いです。
過蓋咬合の程度によっては、従来型のワイヤー矯正の方が適しているケースや、インビザラインとワイヤー矯正を組み合わせて治療を進めるケースもあります。
過蓋咬合(ディープバイト)とは、上下の歯を噛み合わせた時に、下の前歯が見えなくなる程深く噛み合っている状態のことです。上の前歯が下の前歯を2~3mm程度覆っているのが正常な状態ですが、過蓋咬合の場合は上の前歯が下の前歯を半分以上覆っています。
噛み合わせが悪い状態が続いていると、下の前歯で上顎を傷つけてしまったり、顎関節に負担がかかるリスクがあるため、早期に改善するのが望ましいです。

上下の顎の大きさの調和がとれていない場合や顎の位置のバランスが悪いことは過蓋咬合の原因の一つです。上顎の発達が下顎よりも著しく大きく、下顎が未熟なケースや、上顎は過成長で前方に出過ぎた位置にあり、下顎は劣成長で後方に位置している場合などに過蓋咬合になることがあります。
また、下の前歯が上の前歯に強く接触している状態が続くと、上の前歯を前方に押し出す力がかかるため、出っ歯やすきっ歯の歯並びを引き起こす可能性もあります。
顎の位置や大きさのバランス以外に、歯の生え方に問題があると過蓋咬合になることもあります。奥歯が生え切っておらず高さが足りない場合や、上の前歯が前方に大きく傾いて生えていたり、下の歯が後方に傾いていたりするケースでは過蓋咬合になりやすいです。
また、上の前歯が下の歯を完全に覆う程、下に伸びているとガミースマイルにもなりやすいです。
奥歯に虫歯があり、その虫歯が原因で歯の大部分が失われている場合にも過蓋咬合になることがあります。奥歯に本来あるはずの高さがなくなると、噛み合わせが深くなり、前歯に過剰に力がかかります。そのため前歯の寿命を縮めてしまうことに繋がります。虫歯の治療や被せ物の治療が途中で中断してしまっている場合も同じことが起きます。
歯並びや噛み合わせに悪影響を与える、無意識の癖を悪習癖といいます。具体的には、指しゃぶり・爪や唇を噛む・口呼吸・頬杖をつく・歯ぎしり・くいしばりなどがあります。
指しゃぶりや爪や唇を噛む癖がある場合は、上の前歯が前方へ傾く力がかけられるので過蓋咬合になる可能性が高まります。口呼吸の癖がありお口がポカンとあいた状態が続くと、口の周りの筋肉が適切に使われず、歯並びが悪化しやすいです。
また、歯を強く噛みしめたり歯ぎしりをする癖がある場合も、奥歯がすり減り過蓋咬合を引き起こしやすいと言われています。せっかく矯正治療で歯並びを整えたとしても、これらの悪習癖が改善できていないと過蓋咬合再発のリスクが高くなります。そのため、歯並びに悪影響を及ぼす悪習癖がある場合には、放置せずに、改善することが望ましいです。

顎関節症とは、口を開け閉めする際に顎がカクカク音が鳴る、口が大きく開けられない、顎が痛い、顎が疲れるなどの顎関節症の症状が出たり、顎関節だけでなく肩こりや頭痛につながることもあります。過蓋咬合は顎関節に大きく負荷をかけやすい噛み合わせの一つです。
過蓋咬合は歯のくいしばりを引き起こしやすく、奥歯に力を入れてくいしばると顎関節に負担がかかるリスクが高くなります。顎関節症になると力が入りすぎている筋肉をほぐすためのセルフマッサージの指導、装置を使用した治療を受けることが必要になります。
過蓋咬合はガミースマイルの原因の一つでもあります。ガミースマイルとは笑った時に見える歯茎の露出が著しく多い状態のことです。過蓋咬合により、上の前歯が下に伸びすぎてしまう(過萌出)傾向があるため、笑った時の歯茎のラインが全体に下がるのです。
過蓋咬合の治療では、奥歯の高さを確保し、前歯を上方に押して移動する(圧下)ことが多く、この動きによりガミースマイルも同時に改善されるケースがあります。
噛み合わせが深すぎることが原因で、下の前歯が上の歯茎に強くあたってしまい、歯茎を傷つけるリスクがあります。歯茎が傷ついた状態が続くと、歯肉炎を引き起こすことも考えられます。
前歯が上手く機能していないと、奥歯にかかる負担が大きくなります。それにより奥歯のすり減りが通常よりも早くなる、歯の破折のリスクが高くなる、歯の寿命が縮まりやすくなるなどが考えられます。
前歯の噛み合わせが深すぎるために、食べ物を十分に噛み砕いたり、すり潰したりすることが難しくなる場合があります。人が食べ物を食べる時には、噛み砕いた食べ物と唾液とが合わさり、飲みこみやすい形(食塊)を形成します。しっかり噛むことで唾液の分泌が促進されますが、咀嚼が十分にできていないと唾液の量も減ることが予想され、その結果咀嚼しづらくなります。食べ物を十分に細かくできないと、消化器系への余計な負担もかかり、体にとっても負荷がかかります。
また前歯が上手く機能しないことで、奥歯に負担が集中し続けると、奥歯が欠ける、割れる、歯が脆くなる、などのリスクが高くなり、咀嚼しづらさに繋がります。さらに、奥歯に負担が集中している期間が長くなると奥歯の形態が変化し、本来の噛む力を発揮できなくなります。
過蓋咬合で噛み合わせが悪いと、下顎や舌の動きが鈍くなり、発音がしづらくなることがあります。また、口周りの筋肉が緊張しやすいことで、唇や舌の動きに悪影響を及ぼすことも考えられます。

インビザライン治療では透明のマウスピースを使いますが、過蓋咬合の改善のためにはマウスピースと併せてバイトランプと呼ばれる装置を使用して治療をします。バイトランプとはマウスピースに設置する出っ張りのことで、目立ちにくいものです。
過蓋咬合は、前歯の高さが高く、反対に奥歯が低い位置にある、というのが特徴の不正咬合です。前歯を歯茎側に押しもどす「圧下」という動きを目的として、上の前歯の裏側にバイトランプを設置しますが、同時に奥歯の「挺出」を促す効果が期待されます。
インビザラインだけでは治せないケースの場合は、ワイヤー矯正と組み合わせて対応することもあります。

過蓋咬合をインビザラインで治す場合にかかる費用の目安は、70万~140万円程です。外科手術が必要な重度の不正咬合の場合は、インビザラインでの治療が難しいと判断されることもあります。
治療にかかる費用は、患者様一人一人の歯並びやお口の状態、子供なのか成人なのかによっても異なります。どの治療方法が適しているのかも含めて、担当歯科医師から詳しくご説明します。

過蓋咬合の治療期間の目安は2年程度ですが、個々の口腔内の状態によって前後します。矯正治療開始前に、抜歯や虫歯の治療などが必要になるケースの場合は、2年半〜3年程かかる可能性が高いでしょう。
当院でインビザライン治療を受ける場合の期間については、口腔内診査後に担当歯科医師から詳しくご説明します。

インビザラインで過蓋咬合を治したいとお考えの方は当院 KAM Dental OKAYAMA(岡山市北区)にご相談ください。初診カウンセリングから精密検査、治療計画の立案、治療開始、保定まで、豊富な経験と技術に基づいた診療を提供しています。また、遠隔モニタリングを活用した効率的な治療管理により、無理のない通院頻度で矯正治療を進められるのも特徴です。
患者様一人ひとりの歯並びや骨格に最適なプランを提案し、透明性のある診断と最良の治療結果を追求します。インビザライン矯正を使った過蓋咬合の改善を検討中の方、詳しく話を聞いてみたい方は、ぜひKAM Dental OKAYAMA にご相談ください。最適な治療プランをご提案し、理想の歯並びへと導きます。