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「インビザライン矯正でゴム掛けをする」といわれても、具体的にどんな処置なのかピンとこない方が多いのではないでしょうか。
透明なマウスピースで歯を動かすイメージが強いインビザラインですが、実は治療の途中で「小さな医療用ゴム」をご自身で装着していただくことがあります。
この記事では、インビザライン矯正におけるゴムかけの目的や具体的な方法、注意点について詳しく解説します。インビザライン矯正を検討中の方や、治療中でゴム掛けに不安・疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。

「インビザラインのゴム掛け」と言われても、具体的にどんなことをするのかイメージがつきづらい方が多いと思います。
ここでは、ゴム掛けで使用するゴムの種類や具体的な方法について詳しく解説します。
ゴム掛けに使用するゴムは、正式には「エラスティックゴム」や「顎間ゴム」と呼ばれる医療用のゴムです。口の中に直接入れるため、アレルギーを起こしにくく安全性に配慮された特殊な素材で作られています。
一般的な輪ゴムとは異なり、太さ(直径)や引っぱる強さに応じて様々な種類があり、ゴムをかける歯と歯の距離や患者様の痛みの感じ方、必要な歯の移動量を考慮しながら最も適したゴムを歯科医師が選択します。
目立ちにくい透明や白色のゴムが主流ですが、カラフルな色のゴムを選ぶこともでき、楽しみながら治療を進めていくことができます。
マウスピース(アライナー)は歯並びを整えるのは得意ですが、上下の顎の位置関係や細かな噛み合わせの調整はマウスピースだけでは難しい場合があります。
ゴム掛けは力をかけたい部分にピンポイントでかけることができるため、上下の噛み合わせのズレを改善しやすいです。
噛み合わせが整うと、食事のしやすさだけでなく、治療後の歯並び全体が安定し、歯が元の位置に戻ってしまう後戻りのリスクを減らすことにも繋がります。
ゴム掛けは患者様ご自身で毎日付け外しを行います。矯正用のゴムは時間が経つと弾力が低下し、十分な効果が得られなくなるため、毎日新しいゴムに交換する必要があります。
最初は難しく感じるかもしれませんが、治療開始時には歯科医院でスタッフから正しいつけ方の説明を受け、実際に着脱の練習を行ってからスタートするのが一般的です。
また、専用の補助具(エラスティックホルダー)の使用や鏡での練習により、多くの方が数日から1週間程度でスムーズに着脱できるようになりますのでご安心ください。
ゴム掛けはマウスピース(アライナー)を装着している間は行うため、1日22時間以上、最低でも20時間以上が目安となります。
マウスピースと同様にゴムも取り外しができるため、食事や歯磨きの際は外すことができます。出先で切れてしまった時に備えて、予備のゴムを持ち歩くと安心です。
また、ゴム掛けを始めるタイミングは治療計画によって異なり、全員が治療開始と同時に行うわけではありません。多くの場合、歯並びがある程度整い、上下の噛み合わせを微調整する治療を行う中盤以降からスタートします。
ただし、噛み合わせのズレが大きい場合などでは治療初期から始めることもあります。継続期間は数ヶ月で終了することもあれば、長い場合は1年以上行う場合もあります。

インビザライン矯正でのゴム掛けにはいくつかに種類があります。ここでは、それぞれの種類がどのような歯並びの方の治療に用いられるのか詳しく解説します。
Ⅱ級ゴムは、上の歯が前に出ている出っ歯(上顎前突)の改善に用いられるゴムです。上の前歯と下の奥歯にゴムを引っ掛けて装着します。
ゴムが縮もうとする力を利用して上の歯を後ろへ、下の歯を前へ動かす力がはたらくことで、上下の噛み合わせのずれを整えていきます。口元の突出感の改善にも有効です。
軽度から中等度の出っ歯症例でよく使用され、マウスピースだけでは難しい前後の大きな移動をサポートしてくれます。
ただし、歯並びではなく骨格自体に大きな原因がある場合は、ゴム掛け以外の治療法を検討しなければならないこともあります。
Ⅲ級ゴムは、下の歯や顎が上の歯より前に出ている受け口(反対咬合)の改善に用いられるゴムです。上の奥歯と下の前歯にゴムを引っ掛けて装着します。
ゴムが縮もうとする力を利用して上の歯を前へ、下の歯を後ろへ動かす力がはたらくことで、反対になっている上下の噛み合わせのずれを正しく整えていきます。受け口が改善されることで、口元のバランスを整える効果が期待できます。
歯の位置関係が原因となっている軽度から中等度の受け口に効果的で、マウスピース単体では難しい前後の噛み合わせを調整してくれますが、骨格自体に大きな原因がある場合は、ゴム掛けの治療法では難しいこともあります。
垂直ゴムは、上下の歯を縦方向に引っ張り出し、噛み合わせを深くするために用いられるゴムです。上下のほぼ同じ位置にある歯にまっすぐゴムを引っ掛けて装着します。
ゴムが縮む力を利用して歯を上下に引き出すことで、隙間を埋めて噛み合わせを調整します。
奥歯は噛んでいるのに前歯が噛み合わない開咬(オープンバイト)や、上下の歯がすれ違ってうまく当たっていない状態の改善に効果的です。
しっかり上下の歯が当たるようになることで、見た目の改善だけでなく、しっかり噛める健康なお口にすることができます。
交叉ゴムは、上下の歯が左右にズレて噛んでいる交叉咬合や、歯列の真ん中のライン(正中線)のズレを改善するために用いられるゴムです。
歯の表側と裏側に斜めにゴムを引っ掛けて装着します。ゴムが縮む力を利用して歯を横方向に引き寄せることで、左右の傾きや歯並びの中心位置を正しく整えていきます。
上下の歯がすれ違っている噛み合わせや、前歯の中心が左右にずれているケースに効果的です。
左右のバランスが整うことで、特定の歯だけに負担がかかるのを防ぎ、顔の歪みや噛み合わせの違和感を解消できます。

ここからは、インビザライン矯正をスムーズに進めるためのゴム掛けの注意点を解説します。
矯正治療で使用するゴムは常に引っ張られているため、時間が経つと弾力が低下し劣化してしまいます。効果をしっかり保つために、1日1回は必ず新しいゴムに交換しましょう。
古いゴムを使い続けると、歯を動かすために必要な力が十分にかからなくなり、治療が計画通りに進まなくなる可能性があります。
また、お口の中は細菌が繁殖しやすいため、同じゴムを使い続けると衛生面でも好ましくありません。
ゴム掛けは、基本的に食事や歯磨きの際には取り外すようにしましょう。ゴムをつけたまま食事をすると、ゴムが切れたり外れたりするだけでなく、誤って飲み込んでしまう恐れがあります。
また、装着したままの歯磨きはブラシが細かい部分まで届きにくく、磨き残しやむし歯の原因にもなります。
そのため、食事の前には必ずゴムを外し、食後はしっかり歯磨きを行ってから、ゴムを装着してください。装着する際は、掛ける位置を間違えると歯に正しい方向の力がかからず、治療計画に影響が出てしまいます。慣れるまでは鏡で確認しながら、正しい位置に掛けられているかをチェックしながら装着すると安心です。
矯正用のゴムはある程度の伸縮性はありますが、あくびや大笑いなどで口を大きく開けると、強い力がかかって切れたり外れたりすることがあります。
日常の会話程度では問題ありませんが、大きく口を開ける時は、開きすぎを抑えるとゴムへの負担を減らせます。
また、使用時間が経って劣化したゴムは特に切れやすいため、毎日新しいゴムに交換しておくことも大切です。
インビザライン矯正のゴム掛けは、マウスピースと同様に最低1日20時間以上の装着時間をしっかり守ることで効果を発揮します。
装着時間を守らなかったり、掛ける位置や向きを間違えたりすると、歯に正しい力が加わらず、治療期間が延びたり思い通りの歯並びにならない原因になります。
基本的には食事と歯磨きの時間以外は常に装着しましょう。食後の付け忘れや再装着忘れを防ぐためにも、スマートフォンのリマインダーアプリ等を活用して、日常生活の中でしっかり習慣化することが大切です。
また、効果を出すためには歯科医師が指定した位置に正確に装着することが不可欠なため、どの歯にどの向きでゴムをかけるのかをあらかじめ正しく把握しておきましょう。
ゴムは装着中常に引っ張られているため劣化しやすく、突然切れてしまうことがあります。切れたまま放置すると治療効果が落ちてしまうため、予備のゴムは常に持ち歩くようにしてください。
もし片方だけゴムが切れてしまった場合は、切れた側だけを付け替えるのではなく、左右両方のゴムを新しいものへ交換するのもポイントです。
片方だけを新しくすると、新しいゴムと使用中のゴムで引っ張る力に差が生じてしまいます。常に左右両方を同時に交換して均等に力をかけるようにしましょう。
ゴム掛けの治療が始まると、マウスピース単体より強い力がかかるため、最初は一時的な痛みを感じることがあります。
装着時はゴムを急に引っ張らず、ゆっくり伸ばしながらフックへかけると、歯にかかる痛みを和らげることができます。通常、数日から1週間ほどで徐々に慣れていきますが、痛みが長期間続く場合や強まる場合は、歯の移動による痛みではなく、ボタンやフックが歯茎に当たって傷になっているなど別の原因も考えられます。
痛みを我慢したりご自身の判断でゴム掛けをやめてしまうと治療計画に影響するため、違和感や痛みが続く場合は遠慮なく歯科医師へ相談しましょう。

この記事では、インビザライン矯正中に行われることのあるゴム掛けについて詳しく解説しました。個々の口腔内の状態やライフスタイルにより、それぞれに適した治療方法は異なります。
当院 KAM Dental OKAYAMA(岡山市北区)では、インビザラインでの歯列矯正や治療に関する心配事にも歯科医師がお答えし、ご相談にのることができます。インビザライン矯正に興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。初診カウンセリングから精密検査、治療計画の立案、治療開始、保定まで、豊富な経験と技術に基づいた診療を提供しています。また、遠隔モニタリングを活用した効率的な治療管理により、無理のない通院頻度で矯正治療を進められるのも特徴です。
患者様一人ひとりの歯並びや骨格に適したプランを提案し、透明性のある診断と治療結果を追求します。インビザライン治療を検討中の方、矯正治療をできるだけはやく終わらせたい方、治療の選択肢について詳しく話を聞いてみたい方は、ぜひKAM Dental OKAYAMA にご相談ください。