この記事を監修した人

KAM Dental OKAYAMA院長
横田元煕

院長の横田は、矯正治療、特にインビザラインとインプラント治療等を包括した全顎治療を専門としています。大阪大学歯学部を卒業後、奈良県立医科大学口腔外科で勤務し、親知らず抜歯を伴う矯正治療や、口腔外科の知見を活かし患者様の負担を軽減するよう治療の計画をします。

インビザラインドクターであるとともに、MeLoS代表講師、ORTC online講師、水橋保寿堂製薬会社顧問（2024年）などを兼任、また日本口腔外科学会など複数の学会に所属し、専門性と信頼性を重視した歯科医療の提供を心掛けております。

普段、鏡で自分の顔を見るときは正面から見ることがほとんどで、なかなか横顔を目にすることはありません。しかし、他人からはよく見えるのが横顔です。横顔が綺麗な方に対して、美しい人だなぁという印象を受けたことがないでしょうか。横顔は人の印象を決める要因の一つになり得るのです。

そこで今回は、美しい顔の基準となる「Eライン」とはどんなものか、どうしたら美しい横顔に近づけるか、について解説していきます。はたして、インビザライン矯正で理想的な横顔に近づけられるのでしょうか？

横顔の「Eライン」とは

鼻の先端と顎の先端を結んだ線のことを「Eライン(エステティックライン)」と呼び、美しく調和の取れた横顔の基準として用いられています。1954年にアメリカの矯正歯科医のロバート・リケッツ氏によって定義された概念です。

横顔のEラインに
影響を及ぼす歯並び

上顎前突(出っ歯)

前歯が前方に飛び出した歯列は、上唇が前方に押し出され、Eラインよりも外に出ます。下顎の劣成長によって相対的に上顎が前方に出ている様に見える症例でも、唇が大きくEラインから突出している場合が多いです。出っ歯によるEラインの乱れは、歯列矯正で改善できる症例もあります。

下顎前突(受け口)

下顎前突とは下顎が上顎よりも前に出過ぎてしまった状態のことをいいます。幼少期に下顎を前に突き出す癖があった場合や、遺伝的要因によるもの、前歯の傾斜によるものなど原因は様々です。

下顎が前方に突出していることで、下唇はEラインを超え、上唇は内側に入るため、Eラインが崩れてしまいます。

上下顎前突(口ゴボ)

上下顎前突とは、上下とも歯・顎が前方に突出し、横から見たときに口元全体が膨らんでみえる歯並びのことです。口ゴボとも呼ばれ、Eラインを大きく乱してしまう原因の一つです。

鼻の下が長く見えたりする見た目上のコンプレックスにつながるだけでなく、発音がしづらい、口腔内が乾燥しやすい、などの問題があります。

インビザラインで
横顔のEラインを改善できる？

横顔を改善できるケース

インビザライン矯正で理想の横顔のEラインに近づけることができるのは、軽〜中程度の歯並びの乱れ、骨格に問題がない症例などです。抜歯の必要がなく、正しい噛み合わせへと誘導できるような症例は、よりインビザライン治療に適しているといえます。

インビザライン矯正で歯並びを整えることで理想的な横顔のEラインに近づけられることもありますが、骨格・軟組織の問題もある症例ではEラインの改善に限界があります。

横顔を改善できないケース

インビザライン矯正で使う装置は患者様自身での着脱が可能で、目立たない透明マウスピースを使用するのが特徴ですが、症例には限りがあり、横顔のEラインを綺麗に整えることが難しい場合もあります。

個々の歯列の問題だけでなく、鼻の高さ・皮膚の厚み・骨格・唇の形状などもEラインの形成に影響するからです。骨格に問題があり、下顎が前方に大きく突出していたり上下顎が前方に突出している場合には、外科的矯正(顎骨の骨切り術など)も必要になることがあります。

インビザラインで横顔のEラインを改善できるかどうかは、レントゲンをはじめとした精密検査を受けて、歯科医師による診断をもって判断されます。お悩みの方は一度、クリニックで相談してみてください。

インビザラインで
横顔のEラインを改善する方法

IPR

横顔のEラインを改善したい場合、前歯を少し後方に下げる必要があります。歯を後方に移動するためのスペースが不足している場合には、IPR(ディスキング)と呼ばれる歯と歯の間の隙間を作るために歯の側面(エナメル質)をほんの少し削る処置を行います。歯を削る、と聞くと心配になる方もいると思いますが、0.1mm単位で必要最小限の量のみの削合です。

また、インビザライン矯正では治療前に3Dシミュレーションを行い、理想の歯並びにするのにどこにどの位の隙間が必要かを確認できるため、削る量の計画も確実に行うことができます。

抜歯

IPRを行うだけではスペースの確保が難しい場合は、前から数えて4/5番目の小臼歯を抜歯し、そのスペースを使って前歯を後方に移動します。移動量が多くなる症例では、インビザラインとワイヤー矯正を併用して行うこともあります。

歯列拡大

歯列の幅が狭く前歯が前方に出ているような症例では、歯列全体を横方向に拡大することがあります。歯列全体を横方向に拡大すると、1本1本の歯の間にスペースができるので、そのスペースを使って前歯を後方へ移動します。

遠心移動

遠心とは、歯列の奥歯側のことを示します。インビザラインにおける遠心移動は、奥歯を後方に移動させてできたスペースを使い、前方に出すぎた前歯を引っ込める方法のことです。従来のワイヤー矯正では、奥歯を固定限にして他の歯を移動していくため、奥歯を後方に移動させるのは困難でしたが、インビザラインはこの動きを得意としています。

歯を移動するのに必要なスペースを遠心移動で確保できるのであれば、抜歯やIPRを回避でき、負担の少ない治療となります。

インビザラインで横顔を改善したい方は、
岡山市北区のKAM Dental OKAYAMAにご相談ください

当院 KAM Dental OKAYAMA(岡山市北区)では、初診カウンセリングから精密検査、治療計画の立案、治療開始、保定まで、豊富な経験と技術に基づいた診療を提供しています。また、遠隔モニタリングを活用した効率的な治療管理により、無理のない通院頻度で矯正治療を進められるのも特徴です。患者様一人ひとりの歯並びや骨格に最適なプランを提案し、透明性のある診断と最良の治療結果を追求します。

インビザライン矯正を検討中の方、詳しく話を聞いてみたい方は、ぜひKAM　Dental OKAYAMAにご相談ください。最適な治療プランをご提案し、理想の歯並びへと導きます。