この記事を監修した人

KAM Dental OKAYAMA院長
横田元煕

院長の横田は、矯正治療、特にインビザラインとインプラント治療等を包括した全顎治療を専門としています。大阪大学歯学部を卒業後、奈良県立医科大学口腔外科で勤務し、親知らず抜歯を伴う矯正治療や、口腔外科の知見を活かし患者様の負担を軽減するよう治療の計画をします。

インビザラインドクターであるとともに、MeLoS代表講師、ORTC online講師、水橋保寿堂製薬会社顧問（2024年）などを兼任、また日本口腔外科学会など複数の学会に所属し、専門性と信頼性を重視した歯科医療の提供を心掛けております。

近年、すきっ歯を治す方法として、インビザラインが注目されているのをご存知でしたか？インビザライン治療とはご自身で取り外しができる、透明で目立たないマウスピースを用いて歯並びを改善する歯列矯正治療です。

すきっ歯の治療は、見た目の改善はもちろん、正しい発音ができ、美味しく食事をし、歯を長持ちさせるための予防処置でもあります。

この記事では、すきっ歯になる原因、インビザラインですきっ歯を治す方法や治療期間などを解説します。すきっ歯の治療をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

すきっ歯は
インビザラインで治療できる

すきっ歯は医療用語では空隙歯列とよばれ、見た目が悪くコンプレックスになるという問題だけではなく、噛み合わせにも問題を抱える不正咬合の一つです。

すきっ歯の状態が続くと、歯と歯の間に食べ物が挟まりやすいため虫歯や歯周病のリスクが高くなるだけでなく、サ行やタ行などの発音が不明瞭になるなど会話に問題が生じることもあります。すきっ歯を矯正治療で治したいと考えた時、ワイヤー矯正かインビザライン矯正かを悩まれる方が多いのですが、実はインビザラインはすきっ歯を改善するのが得意とされています。

理由は、すきっ歯の歯並びは、歯を動かすスペースが既に十分にあり、歯を移動させやすいからです。歯に少しずつ力を加えて、もともとある歯と歯の間のスペースを埋めていくことで歯並びを改善していきます。

すきっ歯になる原因

歯の本数やサイズ

歯の本数・サイズと顎の大きさがアンバランスになっていると、すきっ歯になります。顎の大きさが標準でも、歯のサイズが著しく小さい(矮小歯)場合や歯の本数が通常より少ない場合はスペースが余り、すきっ歯になりやすい傾向があります。また、骨格的な問題があり顎が極端に大きいケースでもすきっ歯になります。

口腔悪習癖

遺伝や骨格的な要因だけでなく、日頃の癖もすきっ歯の原因になります。歯は、強い力を一瞬かけるよりも、長時間持続的に弱い力をかけ続けた方が動きやすいという特徴があります。

唇を噛む癖があったり、舌を前に出す癖がある場合はすきっ歯になりやすいです。また、幼い頃に指しゃぶりを長期にわたり行っていた場合もすきっ歯になりやすいことが知られています。

こういった癖が原因ですきっ歯になっている場合は、矯正治療と合わせて癖を取り除くためのアプローチも必要になります。

上唇小帯の非退縮

上唇をめくった時に見える筋のことを上唇小帯と言います。上唇小帯の付着している場所が歯に近すぎてしまっていたり筋が太すぎる場合には、すきっ歯(正中離開)を引き起こします。

上唇小帯が原因ですきっ歯になっている場合、矯正治療前に、または並行して小帯の形や位置を整えるために外科的に切除する処置が必要になることがあります。

すきっ歯を
治療せず放置するリスク

印象が変わる

「すきっ歯を治したい」と来院される患者様の多くは、見た目を気にされています。特に前歯は顔の印象に大きく影響する部分です。笑う時に歯と歯の間の隙間が見えるのが恥ずかしいと感じたり、歯を見られるのが嫌で会話が億劫になってしまったりする方も少なくありません。

発音に悪影響がある

歯と歯の間の隙間から空気が漏れて正しい発音ができず、サ行やタ行などの発音が不明瞭になるなど発音にも問題が生じることがあります。特に、人前で話すことを職業にしている方は発音への影響を気にされている方が多いです。

噛み合わせが悪くなる

前歯が上手く機能せずに奥歯に負担がかかりすぎて奥歯の寿命を縮めたり、すきっ歯と歯周病の進行とがあわさると徐々に前歯の隙間が広がり噛み合わせが悪化することがあります。噛み合わせが悪化すると顎や口の周りの筋肉にも負担がかかり、肩こりや頭痛などの全身の不調を引き起こす可能性があります。

歯と歯の間の隙間が大きく空いていると、特に前歯で食物繊維の多い食品や麺類を噛み切ることが難しく、咀嚼能力の低下にも繋がります。

虫歯や歯周病のリスクが高まる

肉眼で確認できる程の隙間があると、歯と歯の間の隙間に食べ物が挟まりやすくなります。食べかすやプラークの停滞も起こりやすくなることで、口腔衛生状態が悪くなり、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。歯と歯に隙間がある箇所もフロス等の補助的な清掃をおすすめします。

すきっ歯をインビザラインで
治療するメリット

見た目が気になりづらい

すきっ歯をインビザラインで治療する最大のメリットは、透明マウスピースを使用するので目立たず、見た目が気になりづらい点です。接客業など人前で話す機会が多く装置を目立たせたくない方や、従来のワイヤー矯正のワイヤーやブラケットの見た目に抵抗があった方にも受け入れられやすい治療です。

中には、成人式や結婚式などの人生の一大イベントに向けて矯正治療を検討されている方もいると思います。「イベントに向けた写真撮影の際には、矯正装置を外して撮影したい。」「インビザライン治療の場合は、自分でマウスピースを気軽に外せる。」という理由で治療を決断する方もいます。

痛みや違和感が少ない

インビザライン治療は、ワイヤー矯正と比較すると治療中の痛みや違和感が少ないと言われてます。インビザライン治療では、歯に持続的に弱い力をかけ、1週間〜2週間に一度マウスピースを新しいものに交換しながら徐々に歯を動かしていくため、比較的痛みの少ない治療になります。

ワイヤー矯正を行う場合は、ワイヤーを調整した後の数日間は歯の周りの組織に力が加わるために痛みを感じやすくなります。歯が動いている時や食事をする時にも痛みが出やすく、あまり咀嚼を必要としない柔らかい食べ物を選択して生活していただくことが多いです。

ブラケットを装着した後は、装置が唇にふれる度に違和感を感じる人もいます。ワイヤーやブラケットが頬の粘膜や舌を刺激することで、口腔内に炎症が起きたり傷ができることもあります。インビザライン治療で使用するマウスピースは、0.5mmと非常に薄くしなやかな特殊な素材で作られているため、装置をつけていても違和感を感じにくいのです。

自分の意志で取り外しができる

マウスピースを外して普段通りの歯磨きや食事ができるのもインビザライン治療のメリットの一つです。ワイヤー矯正で使う装置は、自分では取り外すことができません。歯と矯正装置との間に食べ物が挟まりやすく、歯磨きが難しいと感じる方も多いのですが、インビザラインの場合は、マウスピースを外して清掃できるので口の中を清潔に保ちやすいです。

すきっ歯をインビザラインで
治療するデメリット

マウスピースを管理する手間がかかる

インビザライン治療を行う際は、1日20〜22時間以上装置する必要があります。ワイヤー矯正であれば、歯に装置が固定されているので、ご自身で装置の使用時間を管理する必要がありませんが、インビザラインのマウスピースを使う場合は、使用時間を厳密に守る必要があります。指示通りに装置を使用することで初めて、計画通りに歯が移動するのを期待できます。

また、マウスピースは透明で目立ちにくいものなので、食事の際に外してティッシュで包み、誤って破棄してしまったという人もいます。外した際は専用のケースに入れて保管するのを徹底する、一緒に暮らしている方にもマウスピースの保管場所を周知するなど、ご自身での管理が重要になります。

歯並びによっては治療できないケースがある

歯と歯の間の隙間が著しく大きい歯並びなど、歯の移動量が多い症例には対応できないことがあります。骨格的な問題がある症例も、インビザライン治療は適していません。個々の歯並びによって適したな治療は変わりますので、担当の歯科医師と相談して治療方法を決めるのが良いでしょう。

インビザラインですきっ歯の治療を
する際にかかる費用

インビザラインですきっ歯を治療する際の費用は、お一人お一人の歯並びや口腔内の状態によって異なります。全体的に歯を移動させる必要がある場合は70〜140万円、部分的な移動のみで治せる場合は50〜70万円ほどが相場です。

詳しい費用については口腔内診査を行った後に治療の計画とともにお伝えしますので、担当歯科医師にご確認ください。

インビザラインですきっ歯の治療を
する際にかかる期間

すきっ歯の場合、部分矯正では3ヶ月〜1年程度、全体矯正では2年程度が治療期間の目安とされています。部分矯正と全体矯正のどちらが必要になるかは、個々の歯並びによって異なりますが、前歯だけを動かす部分矯正は全体矯正と比較すると治療期間は短くなります。

できるだけ最短の期間で矯正治療を進めるために大事なことは、マウスピースの装着時間をきちんと守ることです。マウスピースを指示通りに装着していない場合は、計画よりも歯の移動が遅れてしまい、治療期間は延びることになります。

すきっ歯をインビザラインで治療したい方は、
岡山市北区のKAM Dental OKAYAMAにご相談ください

当院 KAM Dental OKAYAMA(岡山市北区)は、すきっ歯の治療にも対応しています。初診カウンセリングから精密検査、治療計画の立案、治療開始、保定まで、豊富な経験と技術に基づいた診療を提供しています。また、遠隔モニタリングを活用した効率的な治療管理により、無理のない通院頻度で矯正治療を進められるのも特徴です。

患者様一人ひとりの歯並びや骨格に最適なプランを提案し、透明性のある診断と最良の治療結果を追求します。インビザライン矯正ですきっ歯の治療を検討中の方、治療の選択肢について詳しく話を聞いてみたい方は、ぜひKAM　Dental OKAYAMA にご相談ください。最適な治療プランをご提案し、理想の歯並びへと導きます。